【セミナー開催】『高齢化社会における食の重要性』~食べられなくなる前に~
9月14日 18:30~(高山市民文化会館)
「食べられない」「食が細くなってきた」「もう一度食べたい」。
高齢社会の先進地域である高山で、そんな相談を受けることが多くなってまいりました。介護の現場で役立つ最新の情報と技術を分かりやすくお伝えすることが、歯科医療に携わる私たちにできることと考えるこの頃です。
今回は高齢者の嚥下障害をテーマに“『高齢化社会における食の重要性』~食べられなくなる前に~ ”と題して 、医療法人三紲会理事長 山下直哉と、理学療法士 井出浩希が講演させていただきました。
平日夕方という、お勤め帰りでお疲れの時間帯に開催したにもかかわらず、看護師・ケアマネジャー・栄養士・介護士など、日頃介護の現場で活躍されている方々に多数お集まりいただき、皆様の介護に対する真剣さと熱気が感じられる2時間となりました。
歳とともに「食べられなくなる」のは、しかたがないこと? だとしたら、長生きするほど人生はさびしいものになってしまいます。そうなる前に今、歯科医療従事者である私たちにできることがあります。
医療や介護の現場では、嚥下機能の低下が原因で、食べる量が減り痩せて低栄養になる高齢者が多くみられます。低栄養になると、身体機能が弱りさらに嚥下機能低下になるという悪循環に陥ります。こうした負の連鎖を引き起こさないためにも、高齢者の嚥下障害のシグナルにいち早く気づき、安全に食べられる方法を確立する必要があります。
当日はこうしたお話をベースに、飲み込みのメカニズムを映像でご覧いただいたり、安全に食べるための姿勢や食形態の基本についてお伝えし、それらを判断する手段として「嚥下内視鏡検査(VE)」をご紹介しました。VEは実演も行ったところ、会場から「わーっ!」と驚きの歓声が。VEの重要性を、知識だけでなく体験を通してよりご理解いただける場となりました。
多数のご参加をいただいた中で、ケアマネジャーさんは14名。管理栄養士さんの割合も例年より多く、後半に設けられた<質問コーナー>では、実際の施設現場での食形態や不安に感じていることなど、具体的な質問が相次ぎ「食べること」の重要性がますます高まっていると実感しました!
医療法人三紲会では、皆様のお役に立てるセミナーをこれからも企画していきます。こんな話が聞きたい、こんな体験をしてみたいなどのリクエストもお待ちしております。ぜひお声がけください。